鉄分の多い食品として、もはや最も代表的といってもいい食品のひとつにレバーが思い当たるのではないでしょうか?
しかしこのレバーは貧血に悩まされている女性にはレバーを食べればいい!などとは聞くものの‥
結論から言いますと妊娠中にはお腹の赤ちゃんのためにもレバーを食べることは極力控えたほうがいいのです!
というのも、レバーには鉄分が豊富に含まれていることは事実ですが、その他にもレチノールという栄養素が大量に含まれているのです。
このレチノールというのは動物由来の食品に含まれるビタミンAの仲間です。
このビタミンAの仲間であるレチノールというのが決して体に悪いものではないのですがお腹の赤ちゃんにとっては悪影響をもたらす可能性があるからです。
もしこのレチノールを過剰に摂取してしまうと生まれてくる赤ちゃんが奇形児や先天性の障害をまった状態で生まれてくること可能性が高くなってしまいます。
ただ1つ勘違いしてもらいたくないのがビタミンAというのは野菜や果物などにも含まれているのですが、それらはまたレチノールとは別のプロビタミンカロテノイドというビタミンAの仲間が含まれていているという点です。
こちらの野菜や果物に含まれているビタミンAについては妊娠中でも体に摂りいれても問題ありません。
基本的には現在の日本人の食生活においてビタミンAが不足しがちになるということは少ないようです。
ビタミンAはヒトの視覚・聴覚・生殖等の機能維持、成長促進、皮膚や粘膜の保持、タ ンパク質合成などに関与するビタミンの一つで、不足することにより、視覚障害などの健 康障害を起こすことが知られていますが、現在の日本の食生活から、ビタミンAが不足す ることは少ないようです。
参照:お母さんになるあなたへ ビタミンAの過剰摂取等について 食品安全委員会
むしろ危険なのは過剰摂取のほうです。
特にサプリメントなどを常用している妊婦さんは(※代表的なものは葉酸サプリメントなど)妊婦の腹痛、めまい、嘔吐などの症状の他にお腹の赤ちゃんが奇形児で生まれてくるリスクもビタミンAの過剰摂取によって高まります。
気づかぬうちに妊婦さんにも、お腹の赤ちゃんいも悪影響を及ぼす動物性食品のビタミンAを摂り過ぎていたということがないようにも気を付けましょう。
つまり、
☑ビタミンAが不足しがちになるということは現代の日本人には、基本的に少ない。
☑むしろ、動物性食品やサプリメントなどからのビタミンAの過剰摂取を疑うべき。
この2点に気をつければいいということです。
というわけで、レバーには動物性食品のビタミンAがたんまり含まれていることから妊娠中に鉄分を補うための食品としては不向きであるということです。
レバーの他にも動物性のビタミンAが多く含まれる食品としてうなぎが代表的なものとして挙げられます。
一見、うなぎも体によさそうで妊婦さんも食べたほうがいいような印象の食品ですが大量に食べるということは控えるほう賢明といえるでしょう。
妊娠中の女性に推奨されている厚生労働省による1日のビタミンA(レチノール当量)推奨量を参考に、妊婦さんが1日にどのくらいの量のレバーやうなぎを食べられるか計算すると、鶏レバーや豚レバーはわずか約5~6gうなぎのかば焼きは約50gとなります。
※参考:内閣府 食品安全委員会 ビタミンAの過剰摂取による影響
つまり、残念ながらレバーの焼き鳥を1本食べただけでもすぐに妊婦さんの推奨量を超えてしまうのです。
この推奨量にももちろん個人差もあるとは思いますが、妊娠中にはやはり摂取量に気をつけることは必要なのでしょう。
特に妊娠初期は妊婦さんの食べたものがお腹の赤ちゃんにも大きく影響する時期です。
もしあなたがこれからレバーで鉄分不足を補っていこうと考えていたのであればレバー、うなぎから鉄分不足を補っていくことはなるべく控えるようにしましょう。
うなぎやレバーが一生食べられないわけではありません!
赤ちゃんのことを一番に考えて妊娠中は少しの間だけと割り切ってうなぎとレバーは我慢することが賢明でしょう。
それでは、今日はこのへんで。